笹川春艸近影
私は生まれも育ちも雪国新潟であります。人生の後半に絵を描くようになってから、新潟の四季おりおりの美しさとそこに生活するおっとりとしていて控えめな県民性をこよなくいとおしいと思うようになりました。
そしてそれらを絵画で表現するとしたら墨画がぴったりだと感じています。華やかな色彩でなくモノトーンで、塗り重ねるのではなくさわやかに一気呵成にと。墨画の手ほどきを受けてから35余年になりますが益々そのことを得心するようになりました。
墨画は和紙の質、墨の濃淡、筆の中の水の量をコントロールしながら表現していくわけですが、なかなか思うように描けないでいます。大好きな郷里を、墨そのものの美しさを生かした気韻生動のある表現で描きたいと念じています。